ケアマネージャーがケアプランを作成するにあたっては、利用者の身体能力や生活環境を視野に入れると同時に、保健・福祉・医療などの社会資源を活用したサービスを組み合わせて立案します。
この際の基本的なコンセプトとしては、目標志向的ケアマネジメントを取り入れるのが、介護現場での現実的な考え方です。
この目標志向的ケアマネジメントとは、利用者の自立を目指したケアを計画していくことです。利用者一人ひとりの自己決定権を中心にしながら、それぞれの自立レベルに合わせて、満足のいくケアサービスを提供できるように熟慮します。
このための前提として、利用者やその家族が介護サービスの選択をしやすいように、できるだけ多くの情報を提供する必要があります。決して介護サービス提供者側から、押し付けるようなケアであってはいけません。
また利用者のニーズに十分に応えられるように、生活機能に基づいた目標やプログラム設定を行うことも重要です。利用者の身体機能に限定した狭い目標設定になると、結局は利用者のニーズを実現することが難しくなります。
心身機能や身体構造はもちろん、利用者の社会への参加や活動といった生活機能あるいは環境因子まで含めて、生活全般を想定しながら計画を立案していくことが不可欠です。
また漠然としたイメージだけで目標設定したのでは、利用者に適切な介護サービスを提供できません。利用者の家族や様々な専門職から情報を収集した上で、利用者の自立へ向けた計画を立案する必要があります。